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デュワーズをラッパ飲みしながらこんばんは、スギヤマです。
バンクーバー、終わっちゃいましたね。 僕にとって冬季五輪の楽しみはほとんどフィギュアスケートなので、女子フィギュアが終わったその日に、「ああ、バンクーバー、終わっちゃったな……」と寂しくなりました。 こういうイベントものが終わると、ぽっかりと穴に落ちたような虚無感に囚われてしまうのは、きっと僕だけじゃないなんだろうな。 長年のフィギュアファンからすると、今回男子フィギュアでライザチェックが優勝したのはとても嬉しかった。彼みたいに、自分のパフォーマンスを大舞台で最大限に引き出すことに成功した者にこそ、金メダルは与えられるべきなんだろうと思います。高橋も銅に終わりましたけど、すごくいい演技で、そう、とにかく魅せてくれました。 そしてプルシェンコはやはり圧巻。結果は銀でしたけど、五輪までの準備期間の短さを考えると、本番でのあのパフォーマンスは怪物レベル。刈谷アナの「プルシェンコは、四年経ってもプルシェンコでした」は、今大会の№1の名台詞。 最近、四回転を飛ばないと男じゃない、みたいなことがちらほら言われてますけど、僕は違うかなーって思うんですよね。アスリートって、自分にとってのベストパフォーマンスはどうあるべきなんだ?っていう自問自答を競技生活のなかで常に繰り返してると思うんですけど、その結果たどりついた答えが「四回転は飛ばない」であったとしても、それは決して逃げではないと思う。「四回転を飛ばないようじゃ、男子フィギュアに未来はない。僕は必ず四回転にチャレンジする」なんて偉そうなことを言っておきながら本番ではぐたぐただった某フランスの選手なんかは愚の骨頂で、結局言い訳に過ぎないと思うんですよね。観客を楽しませることもできない、自分も辛い。「それでも僕は挑戦したんだ」なんていう欺瞞だけが残る。蛮勇はそれほど魅力でしょうか? 四回転ジャンプは特殊な背筋を備えていないとまず飛ぶことのできないジャンプで、ある意味ではバベルの塔です。飛べる人間は飛べばいいと思います。素晴らしい技には違いない。かと言って、飛ばない人間を貶めるような真似は誰にもできないはずです。少なくとも、男子シングル・フリー決勝のあの夜、誰よりも会場を沸かせたのは、金メダルを獲ったライザチェックでした。 「点数稼ぎのために無難な演技に走るなんてつまらない」 こんな意見は大概、スポーツを表面的にしか知らない人間の口から出てきます。 肉体との対話をしたことのない人間は、ただ知らないだけなのだと思います。肉を捻り、骨を軋ませ、絶望し、また這い上がる。そういう、自分のベストを探って、必死にさまよい続けた先に在る境地を。 四回転ジャンプがこれからの男子フィギュアのキーになること、それはもちろん間違いのないことですが、今はまだ過渡期なんだと思います。肉体的に、まだ人類は四回転を飛ぶ準備ができていないんです、きっと。だからこそ四回転ジャンプをノーミスで決められるプルシェンコやヤグディンは「化け物」なんだろうなぁ。 ライザチェック、ブラボー。 プルシェンコ、すごい(傲慢なキング)。 高橋、最高だった。 四年後も楽しみだなぁ。
by water-factory
| 2010-03-03 01:34
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