図書館への道すがら庭の立派な家が一軒あって、そこにはとりどりの木が競うように枝葉をのばしている。
なかにライトイエローのごわごわとした実をつけている木を見つけて、なんだろうとブロック塀に首を乗り出して眺めていると声をかけられた。庭仕事中の家主の声だった。六十近いおじさんである。
「鳥の落し物。レモンと夏蜜柑をかけあわせた感じなんだけど、庭師さんに聞いてもなんだかよくわからないみたいなんだよね」
二つもいで渡してくれた。柑橘類だということはわかるが初めて見る果実だった。
「ジャムにするといいよ」
帰宅後。
そのレモンのような夏蜜柑のような果実。
写真撮るの忘れた……。
ええい。
とりあえずマーマレードにしてみた。
刻み方適当。ええい男の料理だ。
砂糖をどばっと合わせて……
煮詰めて完成。
味は……
……苦っ。
明日の朝はこれでパン食べようっと。