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このところ往年の名作を読み返して興奮しまくっている毎日。『トーマの心臓』、『綿の国星』、『BANANA FISH』ときて今回はこれ、『ぼくの地球を守って』(以下『ぼく地球(たま)』)。前世ブームを巻き起こしたとされる大作。小学生のころ読んでその重層的な物語世界に思わずうなった、日渡早紀の代表作(日渡早紀、これしか読んだことないんですけどね)です。十余年を経て改めて熟読してみたわけなんですが、やはり一筋縄ではいかない深みを持った作品でした。 この作品の究極的な魅力はひと言で言って物語の「入れ子」構造にあると思う。 漫画作品が訴求力ってものを持つためには「どれだけイメージの広がりを持つことができるか」が勝負なわけですが、『ぼく地球』はこの命題にきわめて具体的に答えてる。それはもちろん、坂口亜梨子を主人公に据えた「現代」の物語と、ムーンドリームで語られる「前世」の物語の二重構造を、プロットの根幹に持っているということ。言ってみれば劇中劇ですね。 興味深いのは、ストーリーの前半ではあくまで断片的な夢として語られるムーンドリーム(つまり現世での物語を「親」人格とした入れ子の「子」)が、終盤になって話のメインストリームに浮上してくる入れ子の逆転現象。具体的に言えばぎりぎりまで温存されていた亜梨子の覚醒、つまり木蓮を主人公とするムーンドリーム=前世の核心が詳細に語られるということ。これによって親である「現在」、子である「過去」が等価値に煮詰められて一本化し、読み手にフィナーレ/つまり「未来」への予感を高めさせるという抜群の心理作用を発揮する。ここに日渡早紀の力量があるのはまず間違いなく、『ぼく地球』を単なる運命論的恋愛談ではなく、宇宙規模の意思を感じさせる壮大なクロニクルにまで昇華させることに成功してるんですな。うーん熱い。小手先でないこのダイナミズムは、おそらく劇中劇モノのひとつの到達点なんじゃないでしょうか。 これが続編らしい。サーガだなぁ。
by water-factory
| 2010-08-04 13:03
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