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こんにちは。スギヤマです。
昨日、無事個展が終了しました。9日間の日程のなかで、様々な考え方を持った様々な方と様々なお話をさせていただき、今までのこと、そしてこれからのことを考える大きな契機になったと思います。 このブログを見て来ました、なんて方はいらっしゃらないだろうなぁ・・・・・・と思っていたんですが、 結論から言います。来ていただきました(嬉) しかも、みなさんとても素敵な方で、じっくりお話しさせていただきとても有意義な時間を過ごさせていただきました。この場でお礼申し上げます。ありがとうございましたm(__)m 特に驚いたのは2日目の日曜日。アクアブログをやってらっしゃる方なら誰もが一度は覗いたことがあるはずの、「あのブログ」の方がご来廊くださった。僕にとっては憧れの方。彼のブログに憧れてアクアを始めたくらいですから。 嬉しかったな。 えーと、 で、 今回の個展でいろいろと考えることがあったので、個展後の雑感としてちょっと書いてみたいと思います。ちょっと個展自体から離れた告白めいてしまうんですが、よろしければお付き合いください。長いっすよ笑 -写真と文章はよく似ている の巻- 御存知の方はご存知のことですが、僕はもともと物を書く人間です。一度も売れたことはありませんが僕は自分のことを物書きだと思っています。認められてもいないのに「物書き」だなんて偉そうに、と思う方はいるかもしれませんが、物書きというものは文字通り書いている瞬間が物書きなのであって、結果がついてくるかどうかは僕の知ったことじゃありません。売れればそれで食べていけるでしょうし、売れなければ別のやり方で食べていくしかありません。写真も基本的に同じ考え方ですが、公募の新人賞に応募していない分だけ写真で食べていける可能性はさらに低いと言えます(小説は、書いたものすべて新人賞に応募しています)。というか写真で食べていく気はないです、当たり前ですが食べていけるとも思えません。 こう書くと必ず人に言われるのが次の台詞です。 「じゃあ夢は作家で、写真が趣味ですね?」 うん、違います。 正解は、「文章を書くことは日課で、写真を撮ることは癖である」です。 そうすると、今度はこう言われます。 「じゃあなんで、書いた小説を新人賞に応募するんですか?作家が夢だからでしょう?」 確かに作家にはなりたい。でもそれは作家になるのが夢だからではなくて、もし自分の書いたもので飯を食っていけるのならば話が早いや、というただそれだけの理由です。人によってはそれを「夢」と呼んじゃうのかもしれませんが、僕にとってはニュアンスが違います。文章を書くことは生活の一部であって、言ってみれば僕が僕として生きてゆくための手段です。目的ではない。もちろんそれで認められれば喜ぶでしょうし、他者の反応を知りたいがために賞に応募しているというところはあります。それに、今の日本の文学界では公募の新人賞に応募する以外、作家になる方法は皆無であるということもあります。そういうシステムになっているんです。だから、言ってみれば消去法、せっかく書いたんだから賞に出してみないともったいないじゃないか、というくらいの気持ちです。そして、だいたい一次か二次選考あたりで落ちます。最高成績は二次選考、最終に行ったことは一度もありません。それでも書き続けます。毎日毎日、とめどなくワープロを叩きます。それは、暑ければ汗が出るのと同じくらい僕にとっては自然な生理現象であって、辞めようと思って辞められるものではないからです。 写真の場合はもっとわかりやすい。趣味ですらなく「癖」ですから。 もちろん最初は違いました。10年くらい前かと思いますが、写真を始めたきっかけは父が持っていた藤原新也の写真集に強烈に感銘を受けて、「こういう写真を撮りたい!」と思い立ったからです。その時点では写真は立派に「趣味」でした。高級デジタルカメラを買って、フィルムも試して、いつでもどこでも「どうやったらいい写真が撮れるだろう」と考えながらシャッターを切っていた記憶があります。 それが、いつの頃からか変わってきて、ふと気がつくと写真を撮っているときは頭が「すっからかん」というのが常態になっていました。気づいたら、撮っている。これ面白いかな、写真になるかな、そういうことはあまり頭の端に昇らなくて、僕はいつも首からデジタルカメラをぶら提げているのですが、スイッチは常に入れっぱなしで、家に帰ってカメラのメモリーを見てみると知らないあいだに400カットくらい写真を撮っていて、自分でも「え?いつの間に?」ということがしょっちゅうです。はっきり言って気持ち悪い。不気味です。 写真を撮ることと文章を書くことに共通点を見出したのはごく最近のことです。以前はまったく考え方が違っていました。知人に「なぜ写真を撮るの?」と訊かれたら、「文章で表すことができないものを表現したいから」と答えていました。それは今でも考え方の一つかな、とは思います。実際「言葉で表せない感動」なんていう表現を使う写真家はたくさんいます。でもこの頃、特に写真を撮ることが半ば習慣性を帯びてきた今となっては、文章を書くことと写真を撮ることが僕のなかで限りなくイコールに近くなってきていて、それはなぜなんだろうと考えていました。 で、 一応こういうことなんじゃないかと思います。 「文章も写真も、あらかじめ与えられてある世界を再構築するという意味においてイコールである」 写真については疑いの余地はありません。写真は世界の複写です。カメラのアングルや写し込む題材、さらに細かいことを言えば暗室作業やフォトショップでの焼き込み等、撮る人間の「個性」というものは幾通りもの「作風」となって作品に反映されますが、基本的に写真にはもともと存在している情景を記録するという性格しかありません。 じゃあ文章を書くことは? これも実は、世界の複写なんです。あらかじめ与えられてあるもののコピーです。正確に言うと、「あらかじめ与えられてあるものを一度バラバラに解体して、意味のある言葉の集合体に再構築してゆく」作業です。あいうえおから始まって主語・述語を組み直し、ときには文法を破壊しながら、総体として読み手の意識に届かせることを最終的な目標とした、言葉という記号のパズル的実験です。よく、「無から有を生みだす」という言い方を聞きますが、文章を書くことは「有から有を生みだす」行為だと考えます。小さな「有」の、幾億通りもの組み合わせによって生まれる大きな「有」、それが物語なんじゃないかと。 これってたぶん論客たちのあいだでは当たり前のことなんじゃないかと思うんだけれど、僕は評論とか論文とかいうものをまったく読まないので(基本、小説しか読まない。実用書とか、方法論的なテクニック書も一切読まない。つまんないから)、この考え方になかなか気づかなかった。だから文章を書くことと写真を撮ることのあいだには大きな対立があると思い込んでいました。人から「多趣味だねえ」と言われると、まあ本当は趣味ですらないんだけれど、「うん、多趣味……かも?」と答えていました。なんだか歯切れの悪いものを感じながら。今回の個展を通じて、いろいろな方にいろいろな話を伺って、僕なりに考えて、一応上記のような発想になりました。うん。発想の転換?文章書いて写真撮って、それって実は同じようなことやってたんですね(笑) ここまで考えると、だいぶ楽になります。写真も文章も、実はとてもよく似ている。世界を再構築するという意味において同義であるし、それに両者とも「視覚」に訴えるメディアです。写真には説明書きがないからそのぶんストレートな訴求力があるかもしれない。小説は最後の締めくくりの一文ですべての価値観や評価をひっくり返す力もあるから、読みはじめからラストまで気が抜けないし、時間もかかる。より複雑な体系を成しているかな。もちろん写真にも、パッっと見たあとにじわじわと沁み込んでくる力があると思います。そして、僕がそんな素晴らしい文章や写真をやれるかどうかはまったくの別問題(笑) くだくだしく書きましたが、結局、そんなに難しい話じゃないんです。僕にできることは「書き続けてゆくこと」と「撮り続けてゆくこと」しかありません。文章を書くことは日課、写真を撮ることは癖、それでもやっぱり楽しいからやってるんです。自然な欲求だから。時には辛いこともあります。というか辛いこと、結構多いかも(笑)体力も使いますしね。 なぜ書くのか、とか、なぜ撮るのか、とか。よく人から訊ねられます。 そんなことを考える暇があるならとにかく書いてみる、撮ってみる、というスタンスが僕は好き。好きなものに理由をつけるのはあんまり好きじゃない。だって好きなんだもん。 では最後に、僕の好きな漫画家、石黒正数の『ネムルバカ』から一節引用して、締めます。 「やりたいことのある人とやりたいことがない人の間に 何かしたいけど何が出来るのかわからない人ってカテゴリーがあって 8割方そこに属してると思うんだがね」 2011年8月1日 杉山太郎
by water-factory
| 2011-08-01 16:56
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